建築は好きだけど、それをメインで旅行に行くほどではないという浅い好奇心を持つ私。
そんな私が読み物として楽しみつつ「いつか機会があれば見て見たい」と思わせる本『看板建築図鑑 [ 宮下潤也 ]』を見つけました。
正面から見ると洋風なのに、横から見ると木造建築という、「看板」をつけたような不思議な建築を、見たことがありませんか?
ある~!見たことあるわ!こういうの!
いわゆる「建築家」ではなく大工さんや家主の方が西洋建築を模して作った家屋で、和洋風というんでしょうか、独特な魅力がありますよね。
こういうのを看板建築って言うとはじめて知りました!
看板建築は、関東大震災後の東京で生まれた商店建築のひとつで、建築家・建築史家の藤森照信氏が1975年にそれらを「看板建築」と命名しています。
藤森照信氏と言えば、長野の神長官守矢史料館(1991年)など自然を生かした建築で有名な人じゃないですか!
東京・田中邸。
こちらは残念ながら2018年に解体されてしまいましたが、本書では東京、秋田、長野、京都など全国の看板建築が詳細されています。
京都・中京区の「ニュー大文字」は京都観光の際にぶらりと見に行けそう。
長野・松本市の「ミナ ペルホネン松本店」も素敵。
ミナ ペルホネンは京都店が入っている寿ビルディングも建物が素敵で、デザイナー・皆川 明氏が大切にしているものが伝わってくる気がします。
看板建築の仲間たち、というコーナーもあり(笑)
これは似てるけど違うんだ!
著者が一級建築士だけあって詳細に、でもわかりやすく建築を紹介していて、看板建築の良さを知って欲しいという愛に溢れた一冊だと感じます。
著者の宮下氏は東京に特化した『東京のかわいい看板建築さんぽ [ 宮下潤也 ]』という本も出されていて、
タイトルに「さんぽ」とついてるだけあって、さんぽしたくなるルートが盛りだくさん。
さんぽの途中で立ち寄ってみたい「矢口書店」
本の大敵は直射日光のため、日差しが入らない北口に間口を広げている。
そんなミニ知識も興味深い。
言われれば常識というか、神保町では当たり前のことなんでしょうが、だからこういう作りになってるんだよ、と著者が語りかけてくるようなところがいいと思いました。
今だったらGoogleのストリートビューで疑似散歩も楽しめるじゃないですか。
さっそく矢口書店へGo!
ちょっと我ながら怖い趣味かもしれないけど、
影の向きを見ると、おぉ!本当だ!
本がびっしり並んでてドールハウスのような可愛さ。
あれ!裏の建物も看板建築じゃない!?
あー、やばいです。かなり散歩が楽しめます。
実際に見るとまた印象が違うんでしょうね。